麻布十番といえば商店街!その歴史は300年以上

六本木ヒルズからほどちかいにもかかわらず、高級住宅地の閑静な雰囲気と、どこか懐かしい下町の雰囲気をたたえる麻布十番。東京メトロ南北線、都営地下鉄大江戸線の麻布十番駅を出ると、異国を感じさせる石畳の街並みが放射線状に広がっています。これが日本でもっとも有名な商店街のひとつ、麻布十番商店街です。

この麻布十番商店街の歴史は古く、商店街の成り立ちはなんと300年以上前にさかのぼります。もともとは麻布山善福寺の門前町として栄え、古川が流れる一の橋周辺は交通の要所としてその存在感を示しました。江戸時代から大名屋敷や武家屋敷が建てられ、門前町として商業も栄え、麻布十番は街として発展していきます。

「麻布」という名称で呼ばれるようになったのは元禄時代(1688年〜)と言われていますが、麻布十番の周りを見渡しても「九番」も「八番」も見当たりません。麻布十番1丁目〜4丁目の周りにあるのは、元麻布、南麻布、東麻布など・・・。この名前の由来は諸説あり、1675(延宝3)年の古川の改修工事に着手したのが十番目だったとか、十番目の土置き場だったからとか、十番馬場と呼ばれた馬場があったからと言われています。それが1962(昭和37)年の町の統合時に、十番組屋敷、十番橋など江戸時代の俗称を復活させて「麻布十番」と名付けられました。
 
麻布十番商店街は、「一の橋」から「仙台坂」にかけて広がっていますが、商店街を区切るこれらの場所も歴史ある場所です。「一の橋」は首都高速の一の橋ジャンクションでその名前を知っている人も多いかもしれませんが、ちょうど高速道路の下のあたりに、一の橋公園があります。この公園はまさに麻布十番が発展する元となった古川が公園内を貫き、湧水を活用した"水の公園"となっています。噴水や水のアーチが印象的な公園で、夜間はライトアップされ、幻想的な雰囲気を醸し出しています。実はこの公園、江戸時代の末期に浪士組を結成し、明治維新の火付け役となった庄内藩の志士・清河八郎が暗殺された場所でもあります。

また、「仙台坂」は南麻布一丁目と元麻布一丁目を貫く坂ですが、その名のとおり、江戸時代には仙台藩の屋敷が近隣にありました。現在の仙台坂の中腹にある韓国大使館から二の橋付近までが仙台藩の敷地というからその広大さにびっくり。といっても、当時は低地側は湿地だったため、高台部分を屋敷として使用していたようです。

明治・大正時代になると河川の改修や干拓も進み、さらなる発展を遂げます。花街(芸者街)としてもにぎわい、関東大震災後は寄席や映画館、デパートまででき、東京屈指の繁華街となりました。

昭和に入り、昭和大恐慌、日中戦争などで麻布十番の勢いにも陰りが見え始めます。そんななか、第二次世界対戦が始まり、1945(昭和20)年、2度の空襲で麻布十番は焼け野原となってしまいました。しかし、終戦翌年には「麻布十番マーケット」と称してバラックの店が立ち、復興が始まります。1951(昭和26)年には映画館もオープン、商店街を中心に着々と復活しました。東京タワーが完成した翌年の1959(昭和34)年には商店街にアーケードが建設されました。1983(昭和58)年には「東京都モデル商店街」に指定され、名実ともに東京を、日本を代表する商店街になったのです。

1986(昭和61)年には商店街の憩いの場である「パティオ十番」が完成し、1991(平成3)年にアーケードが撤去されると、現在の麻布十番商店街の形にほぼ近づいていきます。

そんな麻布十番も、実は2000年に地下鉄が開通するまでは鉄道、地下鉄が通っておらず、港区にありながら「陸の孤島」と呼ばれていました。しかし、それが逆に付加価値となり、タクシーや車などでしか訪れることができないため、隠れ家的な人気を博し、芸能人や著名人たちから愛されたことから一気にその知名度があがりました。特にバブル期は、鳥居坂下にディスコ・マハラジャができ一世を風靡し、多くの流行に敏感な若者たちが街を訪れました。

その後、東京メトロ南北線、都営地下鉄大江戸線の開通、さらに2003年には隣接する六本木六丁目に六本木ヒルズが開業し、「麻布十番」の置かれた環境は激変することになります。

しかし、商店街では独自に「十番ルール」なるものを制定し、ずっと変わらない商店街の雰囲気作りを目指しています。その内容は、

・麻布十番ブランドを保ちます(現状多くの小売店は午後8時、飲食店は午後11時で終了しています。「夜の街」にならないように品のある麻布ブランドを保つ)
・家庭的な温かな雰囲気づくりを進めます(子どもや高齢者に声をかけるなど、親切で安心安全な商店街作りにご協力ください)
・魅力ある商店街づくりを進めます("ほほえみの街・麻布十番""住み続けたい街・麻布十番"をコンセプトに一致協力して商店街作りに参加)

など、訪れる人もおもてなしする人も、誰もがほっこりした気分になれる「麻布十番」が守られているのです。

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